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1997 年 8 月 15 日 (金曜日)


午前中はブダの町を散策した。もうすっかり土地勘がついた。ぎらぎらと照る太陽の下、コントラアクインクムというローマ時代の遺跡や、教会などを見て回った。カフェやハンバーガーショップですら美しい古い建物を使っているので好感が持てる。京都や鎌倉でもマクドナルドは木造建築にするべきだ。火事が不安か? 古い物にこだわらないのは日本人の良い点でもあり悪い点でもあるが、一つくらいは古い町並みを自信を持って保存し続ける都市があっても良いと思う。

午後からコファ君とブダペスト近くのセンテンドレという町に行った。こぢんまりとした町でおみやげ屋がたくさんあった。アメリカやドイツからの観光客が非常に多い。街並みはなかなか美しいが、それほど見所はなかった。その後、近くの(と言ってもバスが必要だが)昔の農村が保存されている所に行った。ハンガリーの農村は日本の農村に感じが良く似ている。屋根はわらぶきだ。家の中に暖炉があったり、床が土がむき出しであったりする点が日本とは違う。日本人の感覚だと土がむき出しだと聞くと汚らしい感じがするが、実際にはヨーロッパ人は屋内でも靴を履くし、乾燥した気候なので土が硬く、むしろさっぱりした感じがする。

ブダペストからちょっと外れると極端に東洋人が減る。農村を保存している所では僕以外は皆白人だった。こうして白人の中に一人だけ東洋人が混じっていると、それだけで強い疎外感を感じる。何やら自分が場違いな人間のような気がするのだ。これは言葉の問題ではなく、文化と外見の問題だ。夏目漱石がロンドンで味わったという孤独感が身近に感じられる。僕は日本人としての誇りを持っているが(反動的ではないが)、そういう一個人の頑張りというのを無意味にしてしまうような疎外感というのがヨーロッパ旅行にはある。以前にタイやハワイに行ったときは全く感じなかった感覚だ。

ハンガリーではとにかくのどが渇くので水分を取りまくる。炭酸のミネラルウォーターには飽きたので最近は果物ジュースを飲んでいる。ピーチネクターがなかなか美味しい。

早めにブダペストに行き、コファ君が見たいと言っていたプラネタリウムの音楽ショーに行く。プラネタリウムでレーザーを使った音楽ショーをやるというアイデアはなかなか斬新だが、音楽の方は好きでも嫌いでもなかったので印象は普通。今日演奏された曲を作ったミュージシャンの名前は忘れてしまった。僕の好きなブラックミュージックは皆無。ビートルズは聴けるので、明後日がビートルズの曲だったからその日にすれば良かったかも知れない。

夕飯は昨日に続いて中華料理。中華料理を食べると気持ちが落ちつく。やはりまず舌からホームシックにかかるようだ。相変わらず量が多いので食べきるのに努力を要する。この店では食後に口直しとして甘い飲み物が出る。名前は知らないが中国の酒だと思う。紹興酒ではない。これが出されるのを見て、昨日デザートを頼んだのに来なかったことに気付いた。食後にこれが来たので、頼んだ物とは違うもののてっきりそれがデザートだと思っていた。自分が注文を間違えたのかと思っていたのだ。損した。しかし今更ごねても証拠がないのであきらめることにする。


Contra Aquincum

コントラアクインクム


Burger King

ヴァーツィ通りのバーガーキング


A statue in Roosevelt Park

ローズヴェルト公園にある銅像


An old farmer's house

昔の農村の家




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